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小動物アーカイブZ

A rolling stone gathers no moss

Dogtooth

邦題:籠の中の乙女...なんだが、これはどう考えてもおかしい。籠って言うよりは塀かなぁ...まあ箱入り娘的な意味で使っているのなら間違いではないが。あと、乙女と言いつつ女の子ふたりと男もひとりいるのでこれは誤解を招く。英語のタイトルでいいじゃん。犬歯が物語を貫く、重要な役割を担っています。

内容は賛否両論分かれること必至だけど、自分は気に入りました!ヨーロッパ映画らしい、芸術的でシュールな作風。決して笑わない登場人物、音楽もほとんどなし。えげつない性描写、暴力シーンその他。唯一、笑うのが最後に長女が何とも痛々しい行動をとる場面。その前のハリウッドにオマージュを捧ぐ、長男がギターで奏でるギリシャ民謡と完全にミスマッチなフラッシュダンスも印象的。

最近の自分の趣味は往々にして十代の頃に観ていたら鬱になって1週間ぐらい立ち直れないような刺激の強い作品が多い。かなり乱暴な持論だけど、映画ってのは小説のよりも(小説もそういう作品あるけど)作り手の意図なんかどうでもよく、見る側がどうとでも解釈できる方が優れた作品と捉えられる媒体なんじゃないか。

追記:ラジオ番組で町山氏はアメリカのキリスト教福音派を引き合いに出して、子供を学校に通わせず、家庭内で偏った教育を行うことの危険性云々を指摘していた。それは間違いじゃないとは思うけど、自分はもっと単純にブラックコメディとして受け取った。笑えるかと問われると難しいところだけど、話の中に出てくるパンチラインはどれも強烈で効果的なものだったと思う。

あと、素人が趣味でやってる映画批評ブログを見ていたらラストシーンの解釈に関する議論がコメント欄で行われていたのだが、自分の考えは「どうせフィクションなんだし...」というもの。物語のクライマックス、父の車のトランクに長女が隠れて、翌朝父はそのまま気付かずに出勤する。そして最後の場面で車の後ろ部分がアップになったまま映画が終わってしまうのは何を意味するのか。でも、そもそも鍵を持ってない彼女がどうしてトランクを開けることができたの?っていう話だよね。それに細かく検証していくと「やっぱり現実にそんなわけねーよな…」という箇所は数多あります。深く考えるだけ時間の無駄です。

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