小動物アーカイブZ

A rolling stone gathers no moss

We married as a job!

また『逃げ恥』分析の続き。もう4回ぐらい観た。

前に原作漫画を貶すようなことを書いてしまったが、褒める点もたくさんある。なんてったって大体の筋書きはこの人が作ったわけだし。ひとつ挙げるとすれば、登場人物のキャラクターが重層的なところかな。特にイケメン風見鶏。ただ単に平匡とみくりの間に入って三角関係を作る悪役ではなく、彼は彼なりに複雑な過去を背負って生きているということをしっかり描いている点は流石だと思った。作者の海野つなみは20年以上漫画家として生活して何度か1年間ほとんど仕事がない時期があり、毎日図書館に通って山本周五郎全集等を読み込んでいた時期があったそうだが、こういうところに生きているのかも。

一番好きな回は個人的には「ハグの日」*1かな。たぶん、一般的に最も盛り上がるのはその次の「社員旅行」のラストシーンなんだろうけど。あと、脇役で何気に好きなのはみくりの兄・ちがや。原作だと何の特徴もなかったけど、ドラマでは魅力的かついいアクセントになっていた。あ、でも広告代理店の田島もいいし、みくりの元彼・カヲル*2もいいよね。

調べたら初回の視聴率が10%で最終回が20%らしい。どう考えても前半の方が面白かったんだけど、今どきの視聴者はあとでオンライン等で見直したりするのかな?

YELLOW DANCER (通常盤)

YELLOW DANCER (通常盤)

 

話は変わるけど、星野源の周りに様々な分野の才能ある人が集まってる感じもいいよね。そもそも2010年代でリアルタイムで作品を発表してる人でこんなに同世代かそれ以上の年齢の音楽ファンを唸らせることのできるのは彼以外ほとんどいないはず。映画・大長編『ドラえもん』の主題歌をあんな曲にできるのもセンスの塊。

ドラえもん

ドラえもん

 

追記:このドラマにはまって気づかされたのは、やっぱ自分は是枝裕和の演出が嫌いだってこと。才能は認めるけど自分の好みじゃない。それにあんな凝ったことしなくてもいい作品は撮れるという確信を持った。実際、『万引き家族』は割と好きだけどそれ以外はどうもしっくりこなかったし。

*1:原作では月2回だけど、テレビドラマでは毎週火曜日になってる。放送日に合わせてるという心憎い演出

*2:エスプレッソのくだりは爆笑した。マジレスすると、お湯を足せばアメリカーノになるので万事解決